アンティークミシン HENGSTENBERG & Co.
2008-12-10 (Wed) 14:38
ドイツのアンティークミシンメーカー、HENGSTENBERG & Co.(ヘングステンベルグ)をご紹介します。HENGSTENBERGは1876年にKarl Schmidt(カール・シュミット)により創業された会社で、当初はレザー用のミシンを生産していました。私の私見ですが、革用つまり職業用のミシンを生産していた会社のアンティークミシンは、品質や縫う機能面で優れたものが多いようです。1878年からは家庭用ミシンにも進出しま生産量を伸ばし、1883年に社名を正式にHENGSTENBERG & Co.に名乗るようになりました。この頃の会社のロゴは、三塔からなる西洋の古城をデザインしたものです。その後、経営にAnker Westfaliaが加わると、ロゴに碇のマークを使うようになりました。

1800年代後期の土台まで鋳鉄で出来たアンティークミシンです。金彩模様はかなり残っていますが、劣化が見られます。このような黒い塗りに金色の装飾は、日本の漆塗りにヒントを得たとも言われています。残念ながらシャトルがずいぶん昔に失われてしまっています。

1890~1900年ころのフィドルベースのアンティーク手廻しミシンです。金色の薔薇柄と緑の葉の模様が少し残っています。ベッドの形はアールヌーボーの影響を受けたバイオリン型で、その中央には螺鈿細工が埋め込まれています。ボートシャトルも付属していて縫うことが出来る状態です。ケースもあります。

ベッドが矩形になった1900年代のアンティークミシンと思われます。状態はかなり良く、90%以上デカールが残っています。ベッド中央にはやはり螺鈿が埋められています。このミシンは糸目もかなり綺麗に縫うことが出来ます。
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