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SINGER(シンガー)の足踏みミシン鉄脚の種類

2012-11-07 (Wed) 12:50
案外知られていませんが、人気のシンガーの鉄脚には幾つか種類があります。
私がぱっと思いつくだけでも家庭用ミシンで5か6種類はあります。その代表的なものをご紹介します。

◆19世紀のシンガーの鉄脚
シンガー鉄脚の種類1
ご紹介する中では一番古いタイプで19世紀の足踏みミシンに使用されていました。
SINGER12K・13K・48K・VSなどのモデルで見かけます。
下の2種より全体は小ぶりに見えますがあまり差はなく、フレームが太いための目の錯覚です。
ペダルやベルト車が小さくピットマン棒(はずみ車と足踏みペダルを接続している棒)が木製な点も特徴です。
高さ:71cm [上部]幅:53cm 奥行:34.5cm [下部]幅:55cm 奥行:46.5cm はずみ車:φ26cm

◆19世紀末~20世紀初頭に見られる鉄脚
シンガー鉄脚の種類3
鋳物のフレームの面が凹面になっていますので陰影が強く出て 立体的に見えます。
ピットマン棒が木製です。中央のフレームにSINGERの文字がありません。
脚の左側がキャスターではなくフラットですので、そちら側を持ち上げて引っ張ると反対側のキャスターで転がして移動できるようになっています。
高さ:71.5cm [上部]幅:53cm 奥行:32.5cm [下部]幅:55cm 奥行:47cm はずみ車:φ30cm ※天板は含みません。


◆20世紀初頭から1950年代頃まで作られていた定番の鉄脚
シンガー鉄脚の種類2
鋳物のフレームの面が凸面で丸みを帯びていますので、脚の曲線も相まってやわらかい印象を与えます。
前方に向かってSINGERの文字が見えるようなデザインになっています。
高さ:71.5cm [上部]幅:58cm 奥行:30cm [下部]幅:60cm 奥行:48cm はずみ車:φ32cm ※天板は含みません。

もう少し細かい部分を見ていきましょう。↓


一番古い脚について、全体的には一番アールヌーボーやアーツアンドクラフツの植物の持つ曲線を感じさせるデザインです。カーブが大胆に出してあります。
ベルト車のスポークというか内側のデザインも秀逸です。
鋳物の質的にはまだ粗さがあるような気がします。現存する数が少なく希少です。
シンガー鉄脚の種類4


2番目の脚は全体的にすっきりみえるデザインで、ベルト車のデザインも古いものから少し変化しています。
1番と同じくピットマン棒が木製ですが、木と鋳物の組み合わせがノスタルジックな感じです。
シンガー鉄脚の種類5

3番目の脚が、網脚の中ではもっともオーソドックスなデザインです。
SINGERの文字やサイドのロゴマークには金色の彩色(メッキ)がされていました。
このデザインにはパターンが幾つかあって、横幅が違ったり、SINGERの文字のところをボルトで留めてあったりと、わずかながら相違点があります。
脚は全てにキャスターがついています。
職業用ミシンも同じようなデザインで横幅が広く、多くは片側がキャスターで、反対側がフラットになっています。
シンガー鉄脚の種類6


古いものほど入手が困難ですが、こういったこだわりも楽しみの一つに出来るのではないでしょうか?
以上シンガー足踏みミシンの鉄脚についての比較でした。

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