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足踏みミシンを分解して色づけ

2012-12-03 (Mon) 23:58
足踏みミシンのレストアには厳しい季節が来ました。
なんといっても乾燥に時間が掛かるー!

こんな感じでばらして色を作っていきます。
シンガー足踏みミシン テーブルの色付け
実はけっこー気を使って色をつけています。
デッサンというと芸術っぽいですが、最初にミシンの絵柄や色、老け具合、木の状態から完成をイメージして、木の塗装には全体のバランスが取れるような色をつけます。

ミシン本体が擦れているのに木がピカピカというのもおかしいですし、
木が経年で黒ずんできているのに明るい色にすると汚れて見えちゃいます。
日焼けをしている場所としていない場所で下地に差があれば、出来上がりに色味が近づくようにしたいとも思います。

ピカピカにしたい気持ちもあれば、長年の味わいを残したいという気も出てきます。
あばたもえくぼ、傷が持ち主の歴史を語ることもあります。
出来上がりは同じものは2度とありません。ミシンを整備して台を塗装して脚も磨いて完成を見たときは、他人のミシンでも愛着が沸いてきます。お別れ(返送)に後ろ髪を引かれます。

古いものやアンティークを扱っていると、思うようにならなかったり、一度の別れが永遠の別れになったりします。
そういったことに心を揺さぶられる、まるで人間どうしのかかわり、人間どうしの一期一会にも共通するところがありそうです。
だから古いものに魅かれてしまうのかな、ヒトが社会的生物だからこそアンティークがあるのだ、
そんなことを感じる修理士でした。

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