猫脚のアンティークシンガーミシン 足踏みではないけど…
2013-06-10 (Mon) 15:29
クイーンアン様式といえば獣脚(猫脚)でヨーロッパの家具によく取り入れられるデザインです。優美な曲線と過度に装飾せず素材の木が美しく映える姿に惚れこむ方も少なくないようです。
なんと古いミシンにも獣脚のデザインがありました。こちらです(*^∀^*)

とても優雅だと思いませんか!?足踏みミシンではなく電動ミシンでモーターで動かすミシンです。
スツールも同じく獣脚で作られていました。写真で感じるより実物は座面が広くすわり心地は◎です。

実はこのミシン、当店でレストア修理したミシンなのですが、到着時は脚が半分に切られた状態でした!

こちらのミシンは20世紀中期のアメリカ・ミッドセンチュリー家具ですが、当時の持ち主がアメリカで買い求めて日本に帰国した後に太平洋戦争になり、
空襲から疎開するときに大きくて運べないところを、脚を切って運んだということです。
命からがら逃げるときにも持っていくものがミシンだったんです。
そして家族の宝モノのミシンを切らなければいけなかった。
それが戦争なんです。
修理依頼を受ける戦争を生き抜いた足踏みミシン・手回しミシンには
こういった平和や戦争を考えさせられるエピソードがよく付いてきます。
このミシンもその一つです。
ミシン本体もいろいろダメージがありましたので修理をして縫えるようにいたしました。

シンガーモデル201の1つです。201にはマイナーチェンジされたデザインが幾つか存在します。
このモデルの唯一の欠点は重さです!堅牢ではありますが別名バックブレーカーと呼ばれるように
同じサイズのミシンよりも少し重く出来ています。
キャビネットに取り付けた場合は全体の重心が高いので、使用時や据え置き時にはいいのですが、
ミシンを起こして裏に注油する際などにバランスが崩れやすいので注意が必要です。
返送の際にもバランスが気がかりでしたので、このように木枠で梱包した状態でお送りしました。

大きなミシンはヤマトのらくらく家財宅急便で送っているのですが、
到着後に木枠の解体までやってくれたそうです(たぶん基本のサービス外だと思いますが)。
指定の位置までの搬入や梱包・開封も引き受けてくれますので、足踏みミシンなどをお送りの際はヤマトのらくらく家財宅急便がいいかもしれません。
オチが他社さんのアピールになってしまった・・・
けっこう木枠を作るのは大変なんです!採寸とか重量と重心位置の計算とか…
がんばりました!
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