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東京からご依頼!シンガーミシン中篇

2008-08-11 (Mon) 12:35
昨日の記事のつづきで、東京から分解調整修理のご依頼を頂いたアンティークシンガーミシンです。
東京からご依頼 アンティークシンガーミシン4

こちらのミシンがお客様のご家族の元に来られて、もう4代目だそうです。
ハワイ帰りのシンガーは何台も修理ご依頼を受けたことがありますが、こちらは香港から来たミシンで、初めて出会いました!
当時シンガーの最大の工場はイギリスにあり、香港もイギリスの植民地ですから、考えられない話ではないですが、今まで見たこと聞いたことがありませんでした。
しかも何度も香港⇔日本を行き来しているそうで、今のミシンでは考えられないくらいタフなんですね。
消えかかってはいますが、ベッド中央にはなにやら印鑑に使われるような漢字(字体の名称がわかりません・・・)がデカールされていたようです!いまその文字について調査中です

漢字の意味を、ご依頼主様から教えていただきました!
文字は5文字が十字に並んでいて、




意味は「シンガー工場謹製」だそうで、昔はシンガーを"生糕"と表記したそうです(現在の表記は勝家なのだそうです)。

各部でどんな修理をするかというと・・・

下糸巻き部分ですが、油や埃汚れがあり動作を妨げるので掃除します。また、ゴム輪もたいてい硬化していますので新しいものに交換します。
東京からご依頼 アンティークシンガーミシン5

木に割れ目があります。ただ見栄えの面だけでなく、生地が引っかかってしまいますので、割れ目・ささくれ・欠けは補修します。
東京からご依頼 アンティークシンガーミシン6

塗りが剥げて鉄が見えている部分も補修します。やはり生地が引っかかるのを避けるためと、ここからさらに剥離が拡大するのをできるだけ防ぐためです。
東京からご依頼 アンティークシンガーミシン7

80年ほど経ったミシンですので、鉄部も木部も補修が必要でした。
分解調整修理のご依頼でしたが、これはレストアに近い作業になりました。ミシンとして必要な点を押えるためには補修が不可欠でした。

次回は出来上がりを。

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