東京からご依頼!シンガーミシン後篇
2008-08-12 (Tue) 12:00
いよいよ出来上がりです。打ち合わせから出来上がりまで、連絡のやり取りもあり、10日以上お待たせしてしまいました。

まずハンドルが古いオリジナルを取り付けました。
左側の糸立て棒が違う穴にねじ込んでありましたので、数日かけてジワジワ抜いて、正しい位置にもってきました。
あとは剥離部分補修や掃除をしました。
ハンドルです。運良く在庫に一つだけあったものを取り付けました。柄が本体と同じだとよりよかったのですが・・・

下糸巻き部分が掃除の結果が良く見えるのでピックアップしました。
AFTER

BEFORE

ぜんぜん違うでしょう(笑)?写真では見えませんが、細かい溝も動作が軽くなるよう詰まった汚れを落としています。
小物入れの蓋も剥離をなくしました。小物入れ内部も塗りなおしています。

木部の割れの補修です。
AFTER

BEFORE

くっつけてペンキでばーっと塗ってしまえば見えなくなりますが、割れ目を目立たなくし、かつ木肌感を損なわせないのが、なんというかコダワリです^_^;
普通の家庭用の針で、本革2枚を縫えました。

シンガーで固い本革が縫えるのは8~9割くらいでしょう。
日本製の古いミシンだと、縫えるものが少ないかもしれません。
なぜ本革で性能の良し悪しがわかるかというと、厚地に針を突き刺すパワーの伝達が、効率よく行われるかが判定できるからです。
性能が劣るミシンでは厚地を縫うと、ミシン部品の締め付けがもともと弱いため、ハンドルが空回りします。
シンガーは経験上はずれが少ないようです。
革用の針を使えばシンガーならばほとんど縫えるとは思いますが(日本製で劣る製品は革用の針でも×です)。
こちらのミシンはすでにご依頼元に返送し、家族で喜んでいただいたとお返事を頂きました。
これから何代にも渡って使用されて欲しいと思いました。
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